2013年4月6日土曜日

EverQuestとは


Ever Quest


EQとはどんなゲームだったのか軽く説明

世界観

3Dで世界が描かれたファンタジーMMORPGで、プレイヤーキャラはエルフや人間、ドワーフ等お馴染みの種族やいわゆる悪役とされるオーガ、トロル、ダークエルフ等も選べる。

種族により選べるクラス(職業)は決まっていて、クラスの特徴が極めてハッキリしているのでソロで何でもできる最近のゲームとは全く異なっている。

トールキンのファンタジーに準じた世界観で、鬱蒼とした大森林の樹上の町や海沿いの砂漠地帯、大きく栄えた港町や溶岩と火山エリア、氷河と永久凍土のエリアや落ちたら即死の峡谷エリア、大きな湖で構成されるエリアや常に薄暗い湿地帯、巨人の歩きまわる台地、広大な平原など見た目にも特徴のある土地が多く存在した。







舞台となる世界はNorrathと言う惑星で3つの大きな大陸に分かれており、東西を横断するにはリアル時間で上手く行っても3~4時間はかかる(高Lvlであればもっともっと短かったが、低Lvlなら数日がかりだった)

信仰神としてPlayerが選択できる神々が多数おり、それぞれにバックグラウンドストーリーが緻密に用意されていて世界中のクエストやFaction(後述)に絡み合っており、世界観の深さを増していた。

後述のFactionに基いて、各Playerには敵対する集団が予め決まっている。
(例:善の種族と悪の種族は基本的に敵対)


Zone

広大なEQの世界、惑星Norrathのエリアは1エリアに収めるにはサーバー的な負荷がキツ過ぎるのでエリア毎に分けられていた。この1エリアをZone(ゾーン)と呼び、Zoneを移動するにはそれぞれのZoneを繋ぐ通路を通る(見えない壁があり、そこを超える)とZoning(移動の為のロード処理)が行われて、ロードが終了すると隣のZoneへ出現する。
各Zoneは独立しており、隣のZoneから影響を及ぼす事はできないし、隣の様子も見えない。ここを通り抜けられるのはPlayerのみなので、しばしば敵から逃れる為のZoningが行われた。

Faction(派閥)

ファクション(以後Fac)と呼ばれる評判度があり、各Playerは自分の所属するFacの評判を気にしながらプレイする必要があった。
Facが上がる分には問題無いのだが、Facが一定値を下回ると以下の様な弊害がある為である。

  • そのFacに所属するNPCベンダー(売買ができるNPC)が取引を拒否する
  • そのFacに所属するNPCが口をきいてくれなくなり、クエストが進行できなくなる(罵声を浴びせられる)
  • そのFacに所属するNPCやGuard(守衛)が襲い掛かってくる

殆どのFacは敵対関係を持っており、誰かにいい顔をすると敵対Facが下がると言う仕様。
そして人間型のMobは殆どがFacを持っており、敵を倒すにも注意が必要だった。
前述したPlayer種族は善・中立・悪のざっくりした分け方をしたが、厳密には

  • 種族
  • 職業
  • 信仰神

によってFacが異なり、それでNPCの評判も左右されるのでPlayerには緻密なFac管理(及びその知識)が求められた。
この為、善と悪のPlayerが混在したパーティでは倒す対象をよくよく考えてから戦闘しなければならない。例を挙げるとこうだ。


6人パーティを組んで移動中、一人のオーガ戦士が人間のGuardに襲われた。残り5人は善の種族なので、手出しすると自らのFacを下げる事になるため、見殺しにするしか無かった(回復魔法等の補助を行なってもFacは下がる)


戦闘

EQはプレイのほぼ全てが戦闘に集約されている。
いわゆるHack 'n Slash....冒険をし、敵を倒し、アイテムを得、lvlを上げて強くなり、より強い敵を求めて彷徨う。そういったゲームデザインがされていた。
戦闘にも色々と特殊な要素があり、これがEQを独特のものとしていた。

Mob

EQの敵は群れており、戦闘状態に入ると条件を満たした敵は連携して襲い掛かってくるためMob(群衆)と呼ばれる。後述のTrainや、Addなどが戦闘を魅力的なものにしていた

Add

戦闘中に他のMobが後から参戦してくる事。
EQのMobはかなり強いので基本的にはパーティvs1Mobを維持するように戦うのが常識となっていた。しかしMobには固定された位置から動かないタイプとうろつき回るRoamerとがいて、戦闘中にRoamerが近づいて来てAddし、あっさり壊滅する事もある。

Train

上述したAddがあった場合や、明らかに勝てそうに無い場合にPlayerがZoningする事で生き延びようとする際、その後ろをMobが連なって追いかける様子が電車ごっこの様に見えるのでそう呼ばれた。
実際には逃げている最中もMobから殴打されている為、大抵は逃げきれずに途中で死ぬのだが…

ダンジョンは殆どの場合1Zoneで構成されており、フィールドのZoneから入り口を経由して侵入する。
大抵のダンジョンは入り口付近が弱いMobで、奥に行くほど強力になっていく為初心者は入り口=Zone境界で腕試しをしつつLvlを上げて少しずつ攻略していくのが常だった。
しかし時折奥の強力なMobを多数引き連れたTrainがZoneを目指して暴走してくるので、初心者達は軒並み轢殺されて稼ぐどころじゃない、なんて光景もザラだった。

Trainは周囲のMobもまとめてAddさせやすい(逃げる時にAddするかどうかを悠長に考慮しながら逃げ道を選べない)ので、奥地始発のTrainはMega Train、Huge Trainになりやすい。これは殆どの道中のPlayerを瞬殺するのでTrainを走らせたPlayerはZone中に響く「Shout」と言うコマンドを使ってZoneにTrain警報を流す事が必須だった。

Aban SHOUTS : TRAIN !!!  TRAIN TO ZONE!!!! RUN FOR YOUR LIFE!!

この為、ダンジョンのZone境界で立ち止まっている事は死を意味する。
ダンジョン入り口手前のZoneに瀕死のPlayerが多数休息している際には、中でTrainが暴走していた(している)と予測ができる。

パーティプレイ

クラスは主に以下に分類できる

  • Tank:防御力、回避力、体力が高くMobの攻撃を受け止め、敵の狙いを引き受ける役目
  • Attacker:攻撃力が高く、Mobの体力を減らす役目
  • Healer:回復能力を持ち、Tankを生きながらえさせる役目
  • (後半から)CloudController:複数のMobを無力化し、パーティvs1の状況を常に作り出す役目
TankだけではMobを殺しきれず、Attackerだけではすぐ死んでしまい、HealerだけではMobを殺せない
結果的にバランスの良いパーティを組む事が必須となり、プレイに大きな制約があった。
しかし、Player特にアメリカ人?は脳筋が多いらしく、何も考えず攻撃するのが大好きだったようでAttackerは有り余っていたがHealer不足が常だった。Tankこそ脳筋に見えるが、実は細かい配慮と作業が必要で、自身の攻撃力は微々たる物なので好まれなかったようだ。


死亡とペナルティ

Playerは死亡すると、それぞれ個別に設定された(設定できる)Bind Point、Home Pointと言う場所に裸で転送される。
この際XPの10%が失われ、装備品も全て死体に残るためPlayerは必死になって死んだ箇所に戻り、死体回収をする必要があった。

もし高Lvlの蘇生魔法を使えるPlayerに依頼できれば、自分の死体に対して蘇生をしてもらう事により失われたXPの最大90%を取り戻す事が可能だった(つまり、実質失うXPは1%に軽減される)

EQのXPは稼ぐ事が非常に困難で、失う時は一瞬なので高Lvlになればなる程死亡時の蘇生魔法は必須になっていった。死体はアイテムを全て回収し終えると消滅してしまうので、常に1個失くしても困らないアイテムをインベントリに置いておいて、死亡時にそれだけを残して他を回収し、蘇生魔法を貰えるまでそのままにしておくと言うのも常套手段として使われた。(ただし、一週間が経つと自然消滅してしまう)

前述のHealer不足でも問題だったが、蘇生魔法の使い手はイコールHealerでもあるのでHealerは常に引っ張りだこだった。その上Play中に突然知らない人からTell(Whisper、個人向けのチャット)が飛んできて「どこどこ(10Zoneも離れたエリア)で死んだから蘇生してくれないか」とかが頻繁に飛んでくるので、相当うんざりすると言う話はHealer経験者なら誰しも身に覚えがある事、という状態だった。




アイテム、Camp

EQの魅力の一つ、アイテム(装備品)
数えきれない程のMagic Itemが世界中に存在し、その中には超レアなDrop Rate(入手確率)が設定されている物もあり、Playerはアイテムを求めて世界中を飛び回っていた。

特にNamedと呼ばれる固定位置でPop(Mobが”湧く”事をPopと呼んでいた。Spawnとも呼ぶ)する特殊な名前付きのMobは、大抵の場合何かしら固有のアイテムを落とす為Player達はNamedを殺しては再度Popを待ち、Popしては殺し…を繰り返す”Camp”スタイルを定着させていった。



Raid(レイド)

当初の世界には存在しなかったが、途中から追加された超強力なボスモンスターをRaid Mobと呼ぶ。
最初期に追加されたのは灼熱のドラゴン、Lord Nagafen。これは当時Lvl制限の50lvl Playerでフルパーティ揃えても勝てない強さで、これを討伐する為に考案されたのがフルパーティを更に複数束ねて大きなパーティとする、Raidと言う概念だった。

当時のRaidはシステム的にサポートされていた訳では無いので、あくまでもPlayer達の共通概念として存在し、団体のリーダーとなるRaid Leaderやサポートする人員がゲーム外で人の配置やら時間の調整やらを行い、討伐に望むと言う非常に大掛かりでどこかお祭り騒ぎの様相を呈する、EQならではの楽しみとなっていった。

その後も氷結の雌ドラゴン、Lady Voxが追加されたり、拡張パック以降はこのRaid志向が強まっていって最終的には神々と戦うまでになっていった(この頃がEQの最盛期であり、その後はWoWにユーザーを奪われて徐々に衰退していったが、今もなお拡張は続けられている。神々を超えたPlayerキャラ達は異世界の敵や異次元の敵、時空を超えた敵など更にインフレしたMobと今も戦いを続けているだろう)



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